
🎢 感情グラフがイマイチなのはなぜ?
感情をグラフで見える化してみたけど
「動きはあるのに、なんか伝わってこない…」って思ったこと、ありませんか?
ちゃんと線は上下してるのに、どこが大事な場面なのか、よく分からない。
それ、よくある落とし穴です。
このセクションでは「なぜ感情グラフが微妙に見えるのか?」その理由を解説していきます。
よくあるパターン:「ちゃんと上下してるのに、何が起きてるか分からん!」
感情の流れをグラフで見える化できたら最高!
と思って、AIに発言ごとの感情をスコア化させて、折れ線グラフを描いてみたら…
たしかに、上下には動いてる。
でも
- 「で?この波って、なんなん?」
- 「感情が動いてるのは分かるけど、何が起きてるか見えない…」
…そんな状態になったこと、ありませんか?
実際にこんなグラフ👇になります。

student(青の線)のスコアは上下に激しく動いてるし、coachはずっとポジティブに安定しているっぽい。
でも、「どこで気持ちが上がった?」「何がキッカケだった?」という意味のある読み取りがしにくいんです。
折れ線グラフが微妙になる3つの理由
じゃあなぜ、ちゃんと数値が動いてるのに「読み取りにくい」のでしょうか?
その原因は以下の3つです。
🔹 その1:見た目は動いてるけど、何の感情かは分からない
スコアが上下していても、「なぜポジティブなのか?」「なぜネガティブなのか?」がグラフから読み取れない。
ただ波打ってるだけで、“気持ちの内容”までは見えません。
🔹 その2:変化が激しすぎてノイズに見える
とくにstudentのように細かくスコアが上下していると、感情の「揺れ」というより“感情がブレてる人”のような見た目になります。
🔹 その3:スコアの段階がざっくりすぎる
たとえば +1 / -1 だけで描いてしまうと、「めっちゃ嬉しい」も「ちょっとだけ嬉しい」も同じ+1になっちゃう。
そのせいで感情の“深さ”や“流れ”がグラフに出てこないんです。
「ポジ・ネガ・ニュートラル」だけじゃ足りない?
そうなんです。
人間の感情って、そんなに単純じゃありません。
- 「まあ、悪くないかも」
- 「うーん、ちょっと引っかかる…」
- 「あれ?今の言い方、なんか嬉しいかも」
こんな微妙な気持ちを、“+1・0・-1”の3段階で切ってしまうと、
せっかくの細やかな感情の流れが、ぜんぶ同じスコアに押し込まれてしまうんです。
だからこそ必要なのが、感情をもっと細かくスコア化する方法。
次のセクションで、そのやり方とコツを紹介していきます!
📈 じゃあどうする?感情を“スコア”で見える化!
グラフにしたはいいけど、意味が伝わらない!
その原因は、感情の表し方がざっくりすぎるからかもしれません。
そこで使いたいのが「スコア型」。
感情を数値で細かく表せば、グラフに“うねり”と“意味”が出てきます。
どういう仕組みなのか、見ていきましょう。
スコア型ってなに?感情を-1.0〜+1.0で数値化
さっき見たとおり、「ポジティブ」「ニュートラル」「ネガティブ」の3つだけで感情を表すと、どうしてもグラフが単調になってしまいます。
そこで登場するのが、スコア型という考え方!
これは、感情をもっと細かく、数字で段階的に表す方法です。
たとえば、こんな感じ👇
感情の種類 | スコア値 |
---|---|
とてもポジティブ | +1.0 |
ややポジティブ | +0.5 |
ニュートラル | 0.0 |
ややネガティブ | -0.5 |
とてもネガティブ | -1.0 |
こうすると、「ちょっと嬉しい」と「超うれしい」を別の感情としてグラフに表現できるんです!
こんなふうに感情が波になる!(図・例をここに)
じゃあ、実際にスコア型でグラフにするとどうなるか?
たとえばこんなグラフ👇

さっきと同じ会話データでも、感情スコアを -1.0〜+1.0 の連続値にすると、
- 👤 studentの感情の揺れ(ポジ→ネガ→ポジ)が“うねり”として見える!
- 🎤 coachの安定感も分かりやすい(ずっとポジティブでブレてない)
しかも、ニュートラル(0.0)を挟んで上下に分かれてるので、「どこで落ちたか」「どこで盛り上がったか」も一目で分かりやすい。
つまり、数字を細かくするだけで…
グラフが“ただの折れ線”から“感情のストーリー”になる!
これが、スコア型で感情を可視化する一番のメリットです。
🧠 感情スコアの精度を上げる5つのコツ
せっかく「スコア型」で感情を見える化しても、GPTくんがズレたスコアを出してきたら意味がありません。
- 「それ、そんなにポジティブかな…?」
- 「いや、これはもっとネガティブだろ!」
そんな“ズレた判定”を防ぐために、ここからは感情スコアの精度をグッと上げる5つのコツを紹介します!
コツ①:スコアの段階をはっきり言語化
まず超大事なのがこれ!
「+1 = ポジティブ」って伝えたから大丈夫でしょ?
……って思ったあなた、GPTくんにはそれじゃ足りません。
GPTくんは「いい感じです」くらいでも+1を出したりします。
なので、スコアには意味の幅をきちんと定義しましょう。
たとえばこんなふうに👇
- +1.0:とてもポジティブ(強く好意を示す、感謝、感動など)
- +0.5:ややポジティブ(前向きな印象、少し嬉しいなど)
- 0.0:ニュートラル(判断つかない、淡々とした情報など)
- -0.5:ややネガティブ(戸惑い、不安、否定気味)
- -1.0:とてもネガティブ(怒り、悲しみ、拒絶など)
スコアに“ストーリーと言葉”を与えることが、正確な評価への第一歩です。
コツ②:発言は小分けで渡すべし
長文の会話や複数の発言を一気に渡すと、GPTくんは“全体の雰囲気”で評価しがちになります。
なので、発言は1つずつ分けて処理するのが基本!
{
"speaker": "student",
"text": "うーん……まぁ、そうかもしれないですけど。",
"start": 120,
"end": 125
}
こんな感じで、1発言単位に区切ってスコア付けしていきましょう。
地味だけど、これだけで精度が2倍ぐらい変わります(体感)。
コツ③:GPTに“感情分析の専門家”役を与える
人間でも「営業の人」と「心理カウンセラー」では感情の読み方が違いますよね。
同じように、GPTにも“感情分析の専門家です”という役割を与えると、急に判断が丁寧になったりします。
{
"role": "system",
"content": "あなたは感情分析のプロフェッショナルです。"
}
これは「systemメッセージ」と呼ばれる指示で、GPTの“キャラ設定”のようなものです。
設定しておくだけで、感情判断がちょっと賢くなるのでオススメ。
コツ④:あいまいな発言には“お手本”を見せよう
GPTが迷いやすいのが、「微妙な表現」です。
- 「別にいいですけど」→ ややネガ?ニュートラル?
- 「たしかに…うーん…」→ 判断不能!
こんな曖昧発言には、「これは-0.5にしてください」みたいな
“模範解答”を見せておくと効果バツグンです。
たとえば:
例:「うーん……まぁ、いいですけど。」 → スコア:-0.5
これを最初に教えておくと、GPTはブレにくくなります!
コツ⑤:出力形式は「数値のみ」に決めておく
GPTくん、余計なことを言いたがる生き物です。
「スコアは-0.5です。ちょっと不安そうな感じがしました!」
なんてコメント付きで返されても、後の処理が面倒ですよね。
だからこう伝えましょう👇
「出力は {"score": 数値}
のJSON形式でお願いします。」
こうしておくと、
- プログラムで扱いやすい
- 表やグラフへの変換もスムーズ
になるので、データ処理の自動化にもつながります◎
この5つのコツを押さえておくだけで、感情スコアは一気に安定します!
次のセクションでは、実際に使える「プロンプト例(コピペOK)」をご紹介します!
💬 プロンプト例(コピペOK)
ここまでで「感情スコアを正しく付けるコツ」はわかってきましたね。
でも、実際にChatGPTくんに頼むとき、なんて言えばいいの?
…という方のために、そのまま使える“お願い文”=プロンプトを用意しました!
感情スコアをつけるお願いのしかた
👇このプロンプトを、GPTにそのまま貼って使ってください。
あなたは感情分析の専門家です。以下の発言に対して、感情のスコアを -1.0 ~ +1.0 の範囲で1つ付けてください。
スコアの意味は以下のとおりです:
- +1.0:とてもポジティブ(強い好意・感謝・感動など)
- +0.5:ややポジティブ(ちょっと嬉しい・前向きな印象)
- 0.0:ニュートラル(感情が読み取れない・淡々とした情報)
- -0.5:ややネガティブ(戸惑い・不安・少し否定的)
- -1.0:とてもネガティブ(怒り・拒絶・悲しみなど)
以下の発言にスコアを1つだけ返してください。
【発言】
うーん……まぁ、そうかもしれないですけど。
これだけで、GPTくんは感情のスコアをしっかり考えてくれます!
きれいなJSONで返してもらうには?
グラフにしたり、他のツールと連携したい人は、返答形式も指定しておきましょう。
出力は下記の形式でお願いします:
{"score": -0.5}
プロンプトの最後に、これをポンと付け足すだけで、GPTくんはちゃんと整ったJSONで返してくれるようになります。
🔁 実際のプロンプト全文(コピペ用)
あなたは感情分析の専門家です。以下の発言に対して、感情のスコアを -1.0 ~ +1.0 の範囲で1つ付けてください。
スコアの意味は以下のとおりです:
- +1.0:とてもポジティブ(強い好意・感謝・感動など)
- +0.5:ややポジティブ(ちょっと嬉しい・前向きな印象)
- 0.0:ニュートラル(感情が読み取れない・淡々とした情報)
- -0.5:ややネガティブ(戸惑い・不安・少し否定的)
- -1.0:とてもネガティブ(怒り・拒絶・悲しみなど)
以下の発言にスコアを1つだけ付けてください。
【発言】
(ここに発言を入れる)
出力は以下の形式で返してください:
{"score": 数値}
この形式にしておくと、スコアの一括処理やグラフ化がめちゃくちゃラクになります!
📊 まとめ:感情の波を“ちゃんと波”にするために
感情をスコアで見える化できるようになると、会話はただの記録から、“気づきのデータ”になります。
たとえば…
- 🎧 コーチングなら:受講者がどこで落ち込んで、どこで前向きになったかが分かる
- 🧑🏫 英語レッスンなら:理解度やモチベの上下がスコアとして見える
- 💬 営業トークなら:どの話題で相手が乗ったか/冷めたかが見える
こんなふうに、“感情の流れ”をグラフで見られるだけで、相手の気持ちをあとから客観的に振り返ることができるんです。
スコア化で“見える化の質”が変わる
ざっくりした「ポジティブ/ネガティブ」だけじゃ、気持ちの微妙な揺れは見えません。
でも、+1.0〜-1.0で段階的にスコアをつければ…
- 一喜一憂のうねり
- ネガティブから立ち直る瞬間
- コーチと生徒の感情のズレ
…そんな“感情のストーリー”が、折れ線グラフの上に浮かび上がります。
まずは折れ線 → 慣れたらエリアチャートも!
最初は、折れ線グラフで波を見てみるだけでもOK。
でも、もっと見た目で伝わるグラフを作りたくなったら…
- ポジ/ネガを色分けしたエリアチャート
- 発言ごとに棒グラフで感情を表すタイムライン
- スコアに加えて話題タグを組み合わせる感情マップ
……など、表現の幅はどんどん広がります!
完璧なスコアを求める必要はありません。
大事なのは、「なんとなくしか掴めなかった気持ち」が、ちょっとだけ見えるようになること。
それだけでも、セッションの質も、振り返りの深さも、相手との距離感も変わってきます。
AIを使って“気持ちの波”をデータにする。
それが、次世代のやさしいフィードバックのかたちかもしれません。
✨ 補足:もう一歩こだわりたい人へ(任意)
ここから先は、ちょっとマニアックな話。
でも、「感情スコアにこだわりたい!」「もっと精度上げたい!」という人には役立つ内容です。
GPTくんが悩む“微妙な発言”ってこういうの
GPTくんは、分かりやすい感情表現は得意です。
「めっちゃ楽しい!」→ +1.0
「最悪です…」→ -1.0
これは余裕。でも、問題はこういうやつ👇
「…まぁ、いいですけど」
「うーん、たしかに…」
「大丈夫……だと思います」
はい、出ました。“人間なら察するけど、AIは困る系の発言”です。
こういうボーダーライン発言は、GPTの出すスコアがブレやすいです。
- ニュートラルにしてくることもあれば
- -0.5くらいでネガ気味に見てくることも
人間でも悩む内容だからこそ、事前にお手本(例)を見せるのが有効です。
「この文は -0.5 にしてね」ってサンプルを入れてあげると、GPTくんも判断が安定してきます。
「正確すぎるスコア」にこだわらなくてOKな理由
「この発言、+0.6じゃなくて +0.5じゃないの!?」
……ってツッコみたくなる気持ち、わかります。
でも正直、感情スコアってそこまでピタッと正解を出すものじゃありません。
なぜなら
- 感情はグラデーションであり
- 文脈や個人差にもよるし
- そもそも人間でも判断が割れるから
だから、大事なのは「全体の流れや傾向が見えること」です。
「感情がポジ→ネガ→ポジに動いた」
「コーチと生徒で感情のズレがあった」
…そんな“ざっくりの気づき”が得られれば、もう十分実用レベルです。
スコアは道具、完璧を求めすぎず、活用にフォーカス。
そう思って、楽しく使っていきましょう😊