
「ツールを作る」と聞くと、プログラミングができる人だけの世界だと思ってた。
でも今は、GPTやWhisperといったAIの力を借りて、コードが書けなくても“仕組み”は作れる時代になってきた。
実際にぼくも、英語コーチをしている姉のサポートとして、「セッションの録音をもとにレポートを自動生成するツール」を作ろうとしたのがはじまりだった。
最初はColabでGPTを使いながら .md
や .json
を手動で整理してたけど、
- もっとラクにしたい
- もっと自動化したい
- もっと人に使ってもらいたい
と思い始めた時にぶつかったのが、
「結局どこに何を置けばいいの?」「Colabだけで完結しないの?」
という「サーバー選び」の迷子問題だった。
この記事は、そんな自分の試行錯誤を残しておくための記録であり、同じように「ノーコードから始めて、本気でツール化したい人」に向けた道しるべです。
⚙️ Colab×Xserver時代:最初はこれで良かった
最初はね、もう「Colab×Xserver」でドヤってたんですよ。
「ほら見て!GPTがしゃべったレポートを.mdにして、Xserverで表示してやったぜ!」って。
もうね、“自作感”爆発してて最高。手間もスパイス、愛もスクリプト。
でもね、気づくんです。
「いや待て、毎回手で .md
書いてアップして、ファイル名も決めて、リンク貼って…って、地味にめんどくない?」と。
それでも最初のうちは愛せるのよ、手作業。
でもね、レポートの件数が増えるたびに、こっちのテンションが下がってくの。
愛が薄れるの。そう、「管理がダルい」ってやつ。
JavaScriptで表示してたんだけど…
- ファイル名は手書きで配列に書かないとダメ
- 新しいファイルを作るたびに手で追加
.md
ファイルも全部URLで見れるようにしないと表示されない(=セキュリティちょっと不安)
そんな感じで、「見せるだけ」の構成には限界があることに気づいたのです。
そしてつぶやく。
「おい…これ、自動で回るようにしないと未来ないぞ?」
ということで、ここから「拡張性」を求める旅に出るのでした。
🧱 本気で構築したくなった理由
最初は「とりあえず動けばOKでしょ」って思ってた。
GPTがレポートっぽいものを出してくれて、.md
で保存して、見れるようにして「うんうん、これは便利だわ」って自画自賛。
…でもね、“便利”はずっとは続かない。
📦 ファイル、爆増。
セッションが増えると、.md
が「謎のファイル地獄」になる。
ファイル名のルールが怪しくなってくるし、どれがどの生徒のレポートかも分かりづらい。
🧍♀️🧍♂️ 生徒が増えたら地獄。
「〇〇さんのレポート、どれだっけ?」
「先週のやつどこいった?」
→ 未来の自分、絶対迷子。
🔐 アクセス制限したいよね?
コーチが何人かいたら、「その人の生徒だけ表示させたい」ってなる。
でもJavaScriptだけだとそれすらできないのよ。ログインもできない。
🤖 GPTとWhisperも、いつまでも手動じゃツラい
- Colabで音声ファイルアップロード
- Whisperで文字起こし
- GPTで整形
.md
としてダウンロード- Xserverにアップ
……って、どんだけ“人力”GPTなんだよって話。
🧠 気づいた。
「これ、毎回ぼくがやる必要なくない?」
そう、ぼくはGPTに仕事を任せたいんだ。
手動作業を繰り返すんじゃなくて、“一度組んだら勝手に咲く仕組み”を作りたいんだ。
だから、ちゃんと考えた。
このままじゃ、咲かない。拡張しない。だるい。←ここ重要。
☁️ AWS?Heroku?Xserver?選定の迷いと決断
気づいたら、“仕組みのアップデート会議”を一人で始めてた。
ホワイトボードもないのに、頭の中でこう叫んでる。
- 「拡張したい!でも難しいのは嫌!」
- 「自動化したい!でも高いのは嫌!」
- 「便利にしたい!でも訳わからんのはもっと嫌!!」
そんな中、候補に上がってきた3大サーバー戦士たち。
🟦 Xserver:ぼくの最初の相棒
- HTMLとPHPがすぐ動く
- 管理画面も分かりやすい
- 安い(最安で月1000円切る)
でもね…
- ❌ DB連携やファイル自動処理は微妙
- ❌ Pythonが動かない(Whisper無理)
- ❌ サービスっぽくするには物足りない
やっぱり“静的HTML+手動アップロード”っていう限界が見えてきた。
🟣 Heroku:魔法のようなPaaS(だった)
git push
だけでデプロイ完了!✨- Pythonも動くし、FlaskでAPIもいける!
初心者には天国…だった……
- ❌ 無料枠が消滅(しかも寝てるとスリープ)
- ❌ 商用には不安あり(速度・制限)
- ❌ そもそも「今から本気出す」には頼りない
「楽だけど、ずっと乗る船じゃない」感がすごい。
☁️ AWS EC2:最初はこわい、でも最強の味方
- サーバーまるごと1台を自分仕様にできる!
- WhisperもGPTも、なんでも動かせる!
- 起動してる時間分だけ課金だから最小コスト構成もOK!
- ✅ Pythonで処理→DB保存→API提供、全部できる
- ✅ サブドメインで処理と表示を分けることもできる
- ✅ 将来的にコンテナ化やLambda移行も視野に入る
そう、“拡張性の化け物”なのだ…!
🤔 そして決断。
- Heroku → お手軽だけど未来がない
- Xserver → 愛着あるけどもう限界
- AWS → ビビってたけど、やってみたらGPT先生が全部教えてくれる
🔥 よし、AWSで行こう。
最初はEC2一台で十分。Colabの代わりに、裏で働いてもらおう。
今まで手でやってたことを、自動で回す仕組みにしていこう。
💰 実際、AWSっていくらかかるの?
「AWS」って聞くと、なんかこう…
“月3万円くらい飛びそう”な名前してるじゃないですか?(わかる)
でも!実際はこうです👇
項目 | 構成 | 月額の目安 |
---|---|---|
EC2(t3.micro) | Python処理(Whisper/GPT) | 約500〜1000円前後(スケジューリングでさらに節約可) |
RDS(MySQL) | レポート・ユーザーデータ保存 | 約500〜1000円前後(小規模ならもっと安い) |
S3+CloudFront | Web表示用(レポート閲覧) | 月数十円〜数百円程度(激安) |
GPT API | OpenAI課金(トークン使用量次第) | 数百円〜数千円(処理量による) |
🧮 トータルしても…
最小構成なら、全部合わせても月1500〜3000円くらいで運用できる。
つまり、「Colabで毎回起動して手動処理」してた時間をお金で買う感覚に近い。
で、拡張したくなったらサーバー分けたり、LambdaやDockerにしたり…あとから広げられる安心感がAWSにはある。
✅ 決め手は「いま安くても、あとで困らないか?」
いまの構成が「安い」だけじゃなくて、“このまま育てられる仕組み”になってるか?が大事。
AWSはそれを満たしてた。
🌱 AWSが持ってる“拡張性”って何?
「拡張性が高い」とか言うと、エンジニア界隈のかっこいい言葉っぽく聞こえるけど、ここでの“拡張性”ってこういうことです👇
✅ ① 処理を分けられる
例えば将来こうしたくなったら…
- Whisper用のサーバー
- GPT整形用のサーバー
- Web表示だけのサーバー
って役割ごとに分けることで、処理が重くならない&安全に運用できる。
サーバーの分離が“面倒”じゃなく、“やって当然”くらいに簡単にできるのがAWSの強み。
✅ ② 利用者が増えても落ちにくい
アクセスが集中しても、必要に応じて自動でサーバー数が増えたり(オートスケール)できる。
ColabやXserverでは「アクセス増=遅くなる&落ちる」だったのが、AWSなら“耐えられる設計”が可能。
✅ ③ いつでも進化できる
最初は EC2 だけでいいけど、あとで…
- バックエンドだけ Lambda にする(サーバーレス)
- Docker コンテナにして移植しやすくする
- WebフロントをNext.jsに切り替える
- 検索性を高めるためにElasticsearch導入
…など、ステップアップが自在。
「今の構成に縛られない」って安心感がとにかくでかい。
✅ ④ ユーザーごとの制限や機能の切り分けもラク
- コーチごとに見える生徒を制限
- 生徒ごとに閲覧可能なページを絞る
- 管理画面だけ別サブドメインにする
これ全部、「あ、それなら追加で書けばOKです」ってレベルで可能。
最初から「想定しておかないとできない」わけじゃないのがありがたい。
💡 拡張性は、未来の自分をラクにするための武器
今の作業を楽にするのは自動化、これからの変化に対応できるのが“拡張性”。
この2つをセットで持ってるAWS、そりゃ選ばない理由ないよね?って結論になったわけです。
🎧 WhisperはAPIじゃなくて“自前で回せる”と知った衝撃
最初ぼくは思ってたのよ。
「Whisperで文字起こししたいなら、OpenAIのAPI使うしかないっしょ?」
「毎回1分あたり○円かかるんでしょ?回した分だけ課金されるんでしょ?」
……と思ってたら、GPT先生が教えてくれた。
「Whisperって、インストールすればローカルで動きますけど?」
えっ!?🤯
つまり、こういうこと👇
項目 | Whisper API | ローカルWhisper(EC2で実行) |
---|---|---|
課金方式 | 分単位で従量課金 | 無料(CPUならタダ) |
処理場所 | OpenAIのサーバー | 自分のEC2インスタンス上 |
カスタマイズ | できない | モデルサイズ・ノイズ除去など自由 |
起動までの速さ | 早い | 少し初期準備必要(でも1回だけ) |
✅ つまり、無料で Whisper 使える環境が作れる!
モデルサイズも base
, small
, medium
, large
から選べるし、「API代が気になるから文字起こし回数を減らす」みたいな貧乏性を脱出できる。
Whisperって実は、“無料で使い倒せるAI”だったんだよ!!!!(知らんかったやん)
この一歩だけで、毎月数千円レベルの節約になるケースも全然ある。
Colab時代にこの恩恵を感じるのは難しかったけど、AWS構成にすることでようやくこのポテンシャルを活かせたのです。
🛠 現在の構成(最小構成で拡張性◎)
「これが現時点の答えだッ…!」って感じで、ぼくがたどり着いたのがこの構成👇
Colabから卒業して、自動で回る“成長するシステム”の第一歩です。
broombudy.com(本体ドメイン)
├─ S3 + CloudFront → レポート表示(HTML)
├─ EC2(Python) → Whisper / GPT処理(音声→レポート)
├─ RDS(MySQL) → レポート・ユーザー・セッション情報保存
├─ Route53 → ドメイン管理
└─ api.broombudy.com(サブドメイン) → データのやり取り用(PHPやFlask)
💡 各パーツの役割
パーツ | 担当してること | コメント |
---|---|---|
S3 + CloudFront | HTMLレポートを静的に表示 | 超軽いし爆速。JSも置ける |
EC2 | Whisperで文字起こし、GPTで整形 | Colabの代わり。ずっと起動してなくてOK |
MySQL(RDS) | セッションやユーザーの情報管理 | .md/.json 卒業して、全部DBで |
Route53 | ドメイン管理&サブドメイン制御 | 表示と処理を分けられる安心感 |
サブドメイン(api.〜) | API化して柔軟なデータ操作 | 他サービスとの連携もいける◎ |
🔄 Colabとの違い
比較項目 | Colab | AWS構成 |
---|---|---|
処理の自動化 | ❌ 手動起動 | ✅ cronやAPIで全自動 |
Whisper実行 | ✅ できる(無料) | ✅ できる(高速&制御自由) |
GPT連携 | ✅ できる | ✅ 同じようにできる |
データ保存 | .md/.json 手動 | DBに自動保存 |
表示方法 | JSで手動管理 | DBと連携した表示OK |
📈 拡張も見据えて設計済み
英語コーチング用
・営業支援用
などサービスごとにサブドメインで分ける- 各コーチ用のログイン画面(生徒一覧+セッション履歴)を設置予定
- 管理画面・分析画面など、役割ごとに機能を分離できる設計に
🤖 そして何より、GPT&Whisperの仕事量が激減(ぼくの手作業も)
- 音声をアップロード → EC2が自動で処理開始
- 文字起こし → GPT整形 → DB登録まで自動
- 表示画面からすぐ確認できる
これぞ 「I build, You bloom」な仕組み。
ぼくはもう、“咲かせる裏方”に徹するだけでいい。
🌈 今後の展望と残しておきたいメッセージ
正直、ここまで来るとは思ってなかった。
「音声からレポートが自動でできたら便利じゃない?」くらいのノリだった。
でも実際やってみたら、気づいた。
“ツールを作る”って、未来の自分を助ける作業なんだなって。
💭 自分の“めんどくさい”を大事にしてよかった
手作業がちょっとダルいなって思った瞬間に、ちゃんと立ち止まった。
「これ、いつまで続けるんだろう?」って未来の自分に問いかけた。
その声を無視しなかったから、今こうして“ラクに進化できる土台”ができた。
📈 これからやりたいこと
- コーチごとのログイン管理・生徒一覧表示
- セッションを横断した傾向分析(進捗・テーマの変化)
- 営業マン向けツールへの応用展開
- GPTが自動で定期振り返りレポートを送ってくれる機能
- 1クリックで“次回セッションの流れ”を提案する仕組み
などなど…「また手でやってるな」って気づいたら、また一歩進めばいい。
🌱 最後に伝えたいこと
「拡張性のある仕組みを作る」と聞くと、なんだか難しそうに見える。
でも実際は、“未来に向けて、ちょっとだけラクになる選択を積み重ねる”ってことだった。
最初は手作業でもいい。Colabでもいい。Xserverでもいい。
でももし、「このままだと回らなくなりそうだな」って思ったら、迷わずAWSを選んでいい。
GPTも、Whisperも、未来の自分も、きっと味方になってくれる。
ということで、「拡張性を手に入れろ!GPT×Whisperの自動レポート構築メモ」
これにて完了です🎉